page top

「あげる・もらう・くれる」の使い分け〜手話で行う日本語の文章力講座 より

130913_2322~01.jpg

私は2009年から、聴覚障害者のための「手話で行う日本語の文章力講座」を開講しています。

以前、生まれて初めて聴覚障害者の方と一緒の職場で働いたとき、手話で話すと、とっても優秀だとわかるのに、彼らの書いた日本語の文章に間違いが多いことに驚いたからです。
そして、彼らの間違いが外国人の日本語学習者の間違いと似ていることに気づきました。

私は日本語教育能力検定試験に合格してから約5年間、日本語教師として欧米のビジネスパーソンに日本語を教えていました。

それで、聴覚障害者の方々には従来の「国語」ではなく、日本語を第二言語として学ぶための「日本語教育」の方がふさわしいと思い、外国人に対する日本語教育のメソッドを用いて「手話で行う日本語の文章力講座」を始めたのです。

昨日のテーマは「授受表現2」。
「あげる・もらう・くれる」の使い分けを説明しました。

この違いを理解するためには、
1)物の移動する方向が、
三人称→二人称→一人称という「内向き」なのか、
一人称→二人称→三人称という「外向き」なのかを見極め、

2)次に、物を与える方が主語なのか、
物を受ける方が主語なのか
を考えます。

上記2項目を判断して、「あげる・もらう・くれる」を使い分けるのです。

数年前に、あるろう学校の国語の授業を見学したら、ちょうど「授受表現」を教えていたのですが、先生が間違った説明をしていて唖然としました。

授業が終わってから、先生に
「失礼ですが、説明が間違っていますよ」
と言ったら、先生は
「やっぱりそうですか。私も自信がないまま教えていたんです」
と言われました。
あれでは、ろうの子どもたちが可哀想です(>_<) 昨日の日本語の文章力講座には、普段から親しくしてくださっているろうのご夫婦が参加されました。 私が開講した当時から、熱心に通ってくださっています。 私は、そのご夫婦の熱心に学ぶ姿を尊敬しています。 今では、私の間違いにも気づいてくださいます!人の間違いに気づくということは、それだけ学習内容が身についている証拠です(パチパチ) 私は日本語の文章力講座を受講してくださる方々の、熱心でキラキラした瞳が大好きです(*^o^*) ぶっちゃけた話、「手話で行う日本語の文章力講座」は赤字ですが、そんなちっちゃなことは気にせずに、 「聞こえない方々がご自分の日本語の文章に自信を持ち、社会の中でご自分の力を十分に発揮してほしい」 という願いを胸に抱いて、「手話で行う日本語の文章力講座」を続けていきたいと思います\(^ー^)/

SNSでシェア

Posted in 日記 | No Comments »

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA