PTSDは治る?
先週、NHKのEテレを見ている間にフラッシュバックが起こり、耐えがたいほど苦しい思いをしたので、昨日大学の手話通訳が終わったあと、メンタルクリニックへ診察に行きました。
フラッシュバックは本当に苦しいんです。
映画館の最前列で、映画の大画面いっぱいに自分の辛い記憶が再現ドラマのように映し出されるの見ている感じです。
普段はすっかり忘れているような細かいことまで、微に入り細に入り思い出してしまいます。
さらに辛いのは、そのときに自分が感じた辛い気持ちや悲しい気持ちを、もう一度再経験することです。
私の場合、先週の火曜日のフラッシュバックでは中学3年生の頃の気持ちを再体験しました。
「私の責任じゃないから。両親が不和なのは私の責任じゃないから。」
と口走りながら泣いていたところをみると、中学生のときの再現だと思います。
昨日メンタルクリニックを受診したのは、フラッシュバックがいつ治るかを先生に伺うためでした。
PTSDは日本語に訳せば、「心的外傷後ストレス障害」です。
「病気」じゃなくて「障害」だから、治るのは無理かもしれない。
でも私の場合、原因は父だとはっきりわかっているので、もし父が亡くなれば治るのではないか?
先生に、
「お父さんが亡くなれば治りますよ。」
そう言ってほしくて、クリニックに行きました。
先生の答えは…
先生のクリニックには、お父さんが亡くなってもフラッシュバックに苦しみ、それをまぎらすために、お酒に逃げている患者さんがいるとのこと。
「たとえお父さんが死んでも、街で姿形の似ている人を見たり、似ている声を聞いたりすれば、それがきっかけとなってフラッシュバックが起こります。将来あなたがボケれば治ります。」
『ボケれば治ります』
私は遠い昔に、これと同じ言葉を聞いたことがあります。やはりお医者さまから言われた言葉です。
普通の人なら数年でうつ病は治るのに、母の場合は何故何十年かかっても治らないのだろう?
そう思って、母の主治医の先生に伺ったときの答えです。
父の酒乱とDVがもとでうつ病になった母は、今年4月に73歳で亡くなるまでボケませんでした。ですから先生のおっしゃった通り、亡くなるまでうつ病は治らず、精神安定剤とうつ病はかかせませんでした。
「PTSDは一生治らないってことか。
重いものを背負いこんじゃったな…
これからもフラッシュバックが続くのか。」
そう思ったら、帰り道のバス停で涙がこぼれました。
でも帰宅して、息子と一緒に夕食を食べながら、録画しておいたドラマ「ストロベリーナイト」(今年1月放送)を見ていたら、すごく主人公に共感しました。
背負いこんだ重いものをなんとか下ろそうとするのではなく、「えーい!」と背負いこんで、ヨロヨロしながらでも前向きに生きていこうと腹をくくりました。
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