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「手話で行う日本語講座」を続けて感じたこと

私は2009年に、聞こえない方々のための「手話で行う日本語講座」を始めて、丸4年になります。

以前の職場で、生まれて初めて聞こえない方々と一緒働いたとき、
「手話で話すと、ものスゴく優秀なのに、彼らの書いた日本語の文章に間違いが多いのはなぜだろう?」
と疑問に思っていました。

そのうち、聴覚障害者の方々の日本語の間違いが、かつて私が日本語教育能力検定試験に合格してから、欧米のビジネスマンに5年間日本語を教えていたときの、彼らの間違いと非常に良く似ていることに気づきました。

私の日本語の生徒さんは、黒船で日本にやってきたペリー提督の6代目でハーバード大学の大学院を卒業して日本に研修にきた方や、アリアンツ海上火災保険のドイツ人の社長さんなど、皆さんとても優秀な方々ばかりでした。

でもどんなに優秀であっても、やはり第二言語を習得するというのは、とっても大変なことです。

欧米のビジネスマンも、聴覚障害者の方々も、どちらも日本語が母語ではなく、第二言語であるという点は同じです。

品川のUDジャパンという会社で行っていた日本語講座は、UDジャパンの会社の都合で昨年いっぱいで終わりました。

でも、「熱心に通ってくだる受講生さんたちのために、この講座を決してなくしてはならない!」と考えて、今年の1月〜は個人で「テンダー日本語教室」を主宰し、日本語の助詞の使い分けや、自動詞・他動詞の使い分け(「赤ちゃんが生まれました」と「赤ちゃんを産みました」の違い)、ビジネス文書や敬語についての講座を開いています。

教室はとても和気あいあいとした雰囲気で、笑顔が絶えません(*^o^*)

日本語教室の指導を通して、聞こえない方々からいろいろな本音を伺うことがあります。

多くの聴者は、聴覚障害者の方々が、聞こえないことで日本語の習得がとても大変だということを知りません。

ですから、会社に入ってメールや文書を作成する際に、日本語の間違いを周りの聴者に指摘され、「もっと日本語力をつけろ」と言われて、辛い思いをしています(;_;)

周りの聴者は、
「その文章間違ってるよ!」
と指摘をするものの、自分は日本語のネイティブで自然に日本語を習得してきたために、「どこがどう間違っているか」をキチンと説明することができません。
キチンと直してもらえないから、聴覚障害者の方々は同じ間違いを繰り返してしまいます(>_<) 聴覚障害者の方々が毎日日本語を使って生活するのは、私たち聞こえる日本人が 「毎日英語を使って仕事をしろ!」 と言われるのと同じくらい大変なことなんです! また、日本の会社にありがちな様々な飲み会も、聞こえない方々にとっては苦痛なんです。 聴覚障害者の方々を雇用する会社の方々は、一度1日中、耳栓をして過ごしてみれば聞こえない方々の気持ちがわかるのに…と思います。 来年になっていろいろなことが少し落ち着いたら、こういった聴覚障害者の方々の苦労を新聞に投書するなど、社会に広めていけたらなぁと思っています。 エイ、エイ、オー!

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