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大学の通訳でフラッシュバック

私は週に3回、大学で手話通訳をしています。

今年で5年になりますが、自分にとっても、とても勉強になります。

今日は、精神保健福祉士の国家試験対策の講義の通訳でした。

過去問のテキストに沿って先生が講義をなさるのを通訳します。

今日の内容は精神医学でした。

始めは鬱(うつ)病と、躁鬱(そううつ)病についてでした。

私の家では、母が30年以上鬱(うつ)病を患い、苦しんでいる姿をずっと見て育ちました。

母を知っている方は、母のことを「明るくて楽しい人」と思ってくださっていますが、実は何種類も抗うつ剤と精神安定剤を飲んでいました。
精神安定剤が切れてしまうと、精神状態が不安定になり不安感が強く、ご飯も食べられず、胃液を吐いて苦しんでいました。
とても可哀想でした(;_;)

また、私の従姉妹は躁鬱(そううつ)病でした。躁状態のときは祖母の年金を使って遊び回り、鬱状態になると私に遺書を書いて自殺を図りました。
未遂に終わりましたが、すぐに精神科に入院させて様々な福祉の手続きをして、今後働けない彼女が一生生活に困らないようにしました。

先生のお話を聞いていると、1つ1つのことが蘇ってきました。

さらに教科書のページが進むと、今度は心的外傷後ストレス障害(PTSD)が出てきました。

「やだ、今度は私じゃない!」
そう思いながら通訳をしていました。

「過去の辛い経験を思い起こさせる出来事に遭遇すると、細かいことまで克明に思い出してしまい、フラッシュバックに苦しむ。治療のためにはフラッシュバックを起こさない、保護的な生活が必要。」と書いてありました。

私は教科書の文字を目で追いながら、だんだん息が苦しく、心臓がドキドキしてきました。

そして、最近は思い出すことのなかった修羅場のような場面を思い出してしまいました。

床に倒れた自分。
一緒に倒れた傘立て。
「この子のお腹には赤ちゃんがいるんですよ!赤ちゃんに何かあったらどうするつもりですか!」と言って、父と私の間に入って守ってくれた母の姿。
「お前のお腹の子どもなんか、死んだってなんだって構わない」
そう言って、今度は母に向かって暴力をふるう父の姿。
駆けつけて来た4人の警察官…

などなど、通訳しながら細かい場面まで思い出して苦しくなってきました。

せっかく忘れていたのに、神様はなんてイジワルなんだろうと思ってしまいました。

一緒に通訳を担当してくださった先輩も、「通訳してて辛かったでしょう」と気遣ってくださり、本当にありがたかったです。

感謝しています。

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