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国際シンポジウムの手話通訳

このところ、ずーっと忙しくて休みがなく、特に先週は睡眠時間が2時間とか2時間半の日が続きました(>_<) それで、「ブログに書きたい!」と思うことがたくさんあっても、いつも携帯を手にしたまま眠ってしまって全然書き込めなかったので、今日はまとめて書き込もうと思います。 27日(日)は、国際シンポジウム「多言語環境児童の学習言語の発達と障害」の手話通訳をしました。 3月に行う予定だったものが、大震災の影響で11月に延びたものです。 第二言語習得に非常に関心がある私としては、とても興味深い内容でした。 始めは参加者として申し込んだのですが、参加者の中に聴覚障がい者の方がいらっしゃるということで、手話通訳を担当することになりました。 始めに、カナダで行われているイマージョン教育の実態についてのおお話がありました。 イマージョン教育というのは、「第二言語の力を高度に伸ばすために、学校教育の全部または一部を、第二言語を使用して行う教育」のことだそうです。 また、カナダのDruryろう学校での、ろう児に対するバイリンガル教育についてのお話がありました。 幼稚部でASLを導入するのに、アルファベットならぬ「ASLファベット」を使って、手型や位置や手の動きを表す、という方法があるそうです。 それらのお話の中で、「日本語対応手話は不完全だ。」というお話がありました。 講演が終わって質疑応答のときに、私が手話通訳をしていた聴覚障がい者の方が手を上げました。 その方がおっしゃったのは、「自分は24才のときに失聴した。自分のような中途失聴者や難聴者にとって、日本語対応手話は大切な言語である。学者の先生が『日本語対応手話は不完全な言語である』とは言わないでほしい。言語を否定すると、その言語を使っている人たちの社会的立場まで低く扱われることになるのだから。」とおっしゃいました。 それを聞きながら、私は「なるほどなぁ。」と思いました。 以前は「手話は、みっともない。」と言われ、電車の中など人目につくところで手話を使うことははばかられ、長い間ろう者の方々は悔しい思いをしてきました。 時代が変わり、「ろう者とは日本手話という、日本語とは異なる言語を話す、言語的少数者である。」という『ろう文化宣言』が発表されてからは、状況が変わってきました。 日本手話を尊重しよう、日本手話を身につけよう、という流れに変わってきたように思います。 私もかつて、地域の手話講習会に通っていたとき、講習会で教えていただいた手話(日本語対応手話)と、実際にろう者の方々が話している手話(日本手話)が違うことを知って、愕然としました(」゜□゜)」 職場の上司(ろう者)や同僚(ろう者)にも、「日本手話を磨け!」と言われ、なんとか身につけなけれぱ、と思って今までやってきました。 でも、シンポジウムの質疑応答の手話通訳をして、考えました。 「どっちがいい、どっちが悪い。」 「どっちが優れている、どっちが劣っている。」 という言い方をしてはいけないんですよね! 人間に優劣がないように、言語にも優劣はないんですよね! 「英語とフランス語では、英語の方が優れている。」なんていうことはありませんものね! これから手話指導をするときには、「日本手話と日本手話対応手話では、両方とも大切な言語です。」ということを、キチンと伝えていきたいと思いました(*^o^*)

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