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連載「聴覚障がい者のための日本語講座の現場から 第2回」

「聴覚障がい者のための日本語講座の現場から」を連載にすることにしました。
今日は第2回。先日の「簡単きわまりない」の回を第1回ということにしようと思います。

◆今までは、主に文法を中心に指導してきました。
例えば
A)学校 (へ/に) 行きます。

B )橋 (を) 渡ります。

Bの文章を「橋に渡ります」としてしまう誤答が多いです。
Aは【移動の方向】なので、格助詞の「へ」または「に」を使います。
Bは【通り道・通過する場所】を表すので、格助詞の「を」を使います。
聴覚障がい者の方は日本語を聞いたことがないのですし、手話では格助詞を表さないので、間違えるのは当然です。

このような文法の解説を手話でおこなうのですが、14年間続けているので、問題ありません、

◆今、本当に悩んでいるのは、語彙の指導です。
長文読解の講座で「人格」という言葉が出てきました。
類語辞典では「道徳や品(ヒン)の観点から見た、その人の人柄」と書いてあります。

手話に「品(ヒン)」という表現はありませんし、類語辞典の説明に書いてある「人柄(ひとがら)」という言葉も説明が必要になります。

・どうやって「品」を手話で説明すればいいんだろう⁉️
・「人格」と「人柄」の違いを何と言えばいいんだろう⁉️
・「人格者」という言葉はあるけれど、「人柄者」という言葉はないのは、なぜなんだろう⁉️
・今までこういう言葉が出てきた時、私はちゃんと手話通訳できていたのだろうか⁉️

うーん…
1867年に日本で最初の、英語で書かれた日本語辞典「和英語林集成」を編纂されたヘボンさんも、こうやって悩んだのかなぁ💦
ヘボンさんは優秀だから、私ほど悩まなかったのかなぁ😱
悩んでハゲそうです。

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