朝日新聞 けいざい心話「ろう者の祈り」
私は、2009年から「聴覚障がい者のための 手話で行う日本語講座」を開講しています。
日本語と日本手話では、語彙も文法も異なります。
助詞「が、を、に、へ、で」などは、日本手話では手の形としては表さず、指さしなどの方法で表します。だから日本語を書く時に、助詞の選択を間違えてしまいます。
「部屋に、勉強します」「会議室で、パソコンがあります」などという文章を書いてしまいます。
でも、それは、聞こえない方々が悪いのではありません。聞こえない方々が、劣っているのではありません。
日本語と日本手話は、別の言語だからです。
でも、一般の聴者の方々は、聞こえない方々が日本語の習得が困難であるという現実をご存知ないので、間違った文章を書くと、「聴覚障がい者は劣っている」と誤解してしまいます。
本当は優秀なのに、「それでも、高校を出たのか」と罵られ、見下されて、悔しい思いをしている聴覚障がい者の方々は、たくさんいらっしゃいます。
私は、2009年に「聴覚障がい者のための 手話で行う日本語講座」を開講して以来、生徒の皆さんから、職場で苦しい思いをしているお話を、数え切れないほど聞いてきました。講座が終わっても、すぐには帰らずに、自分が職場で、日本語の文章力がないために、辛い思いをした経験をいっぱい話してくださいました。
なんとかしたい。でも、私には力がない。
その話を、昨年2015年4月に、朝日新聞の夕刊「春風の中小企業」 の中で、私の日本語講座の記事を書いてくれた、私の大学時代の友人の、朝日新聞の編集委員さんにお話しました。
そうしたら、「聴覚障がい者の方々が、就職後、苦しい思いをしている現実を、ぜひ社会に広めたい」と、素敵な連載記事を書いてくれました。
昨年11月から取材を始めました。私は取材の手話通訳をさせてもらいました。
3月9日〜12日 まで、朝日新聞の朝刊 経済面「けいざい心話」のコーナーで、「ろう者の祈り」というタイトルの、素晴らしい連載記事となりました。
取材にご協力くださった方々、ありがとうございました。
この記事をきっかけに、職場が、社会が変わり、聴覚障がい者の方々が、社会の中で、ご自分の力を十分に発揮できる日がきますように…iPadから送信
朝日新聞のデジタル版「朝日新聞デジタル」にも掲載されています。
※記事のタイトルをクリックすると「朝日新聞デジタル」のページが開きます。
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“朝日新聞 けいざい心話「ろう者の祈り」” への2件のフィードバック
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いつから連載かなぁ〜と思ってました。
我が家は毎日新聞なので、実家に連絡して新聞とって置いて〜と頼みました。
多分一ヶ月以上とってあるはず
麻希さん!コメントありがとうございます!
聴覚障がい者の方々は聞こえないだけだから、筆談すれば通じると思っている方がほとんどなので、世の中の方々に現状を知っていただきたいと、ずっと思っていました。
ご実家の朝日新聞をお読みになったら、感想を聞かせてくださいね!